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東シナ海ガス田(油田)問題は、東シナ海での日本と中華人民共和国(中国)のガス田(油田含む)開発に関わる問題。
問題となっている海域には中国側の調査で春暁、断橋、天外天、平湖、冷泉、龍井の6ガス田が確認されているが、春暁、断橋においてはその埋蔵地域が日中中間線の日本側海域に掛かっているため両国間の問題になっているほか、日本政府は天外天、龍井についても資源が中間線を越えて広がっている可能性を指摘している。
日本は経済産業省が中国に対抗し民間開発業者への試掘権付与手続きを行うなどしているが、この問題における出遅れや対応の遅さが指摘されている。
問題となっているガス田は両国の排他的経済水域内にあり、その権益の範囲を日本は現在、国際的に一般的な日中中間線とするのに対し、中国は1970年代頃までの国際法上の解釈に基づく大陸棚の先端沖縄トラフまでを主張している。
こうした排他的経済水域に関わる問題は、国連海洋法条約においては「関係国の合意到達の努力」に委ねられており明確な基準はないが、最近では関係国間の中間線を排他的経済水域の境界とするのが国際的に一般化している。
中国政府はこの海域の資源開発研究を30年以上前から続けており、1999年に平湖ガス田(春暁の北、日中中間線よりも中国側にあるガス田)で天然ガスの生産を開始している。
中国は経済成長により電力需要が逼迫していることから、春暁、天外天両ガス田でも日本の抗議にもかかわらず採掘施設の建設を進め、2005年9月下旬には、日中中間線から4キロメートルの位置で天外天ガス田の生産を開始した。なお、11月にも操業を始めるとみられる春暁の採掘施設は、中間線から1.5キロメートルしか離れていない。
日本政府は2004年6月に中国が春暁の本格開発に着手したことがわかり、春暁・断橋付近の海域を独自に調査。春暁・断橋は地下構造が中間線を挟んで日本側につながっており、天外天、龍井もその可能性があることを確認した。このため、中国が日中間で地下構造がつながっているガス田の採掘を始めると日本側の資源まで吸い取られてしまう可能性が高いとして問題視している。
日本側は春暁の開発着手を確認した2004年6月以降、外交ルートを通じて当該海域での開発作業の即時中止と、地下構造のデータ提供を求め続けているが、2005年現在、中国側はデータ提供を拒んでいる。
2005年7月、経済産業省が石油開発会社の帝国石油に試掘権を付与したが、実際に試掘を開始できるまでは1〜2年かかる見通し。
試掘権付与手続きと平行して、日本政府は中間線付近の5ガス田に日本名を命名。春暁は「白樺」、断橋は「楠」、冷泉は「桔梗」、天外天は「樫」、龍井は「翌檜(あすなろ)」とし、公文書などでも使用を始めた。
中国側は日本の抗議に対し日中共同開発を提案しているが、日中中間線より日本側の領域のみの共同開発としているため、日本政府は受け入れを拒否している。日本政府は2005年10月、同問題についての日中局長級協議で、日中中間線をまたぐ春暁など4ガス田に限って共同開発する提案を中国側に行っている。
なお、中国政府は「日本の行為(試掘権付与)は中国の主権と権益に対する重大な挑発かつ侵害」「強烈な抗議」と反論している。中国は、中国海軍の最新鋭艦であるソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦を含む5隻程度の艦隊でガス田周辺の警備を行っており、管轄の南京軍区や東海艦隊は、ガス田開発問題が表面化して以降、日本との突発的な軍事衝突に備えて第一級警戒態勢を布き、幹部の無許可での移動を禁じていると言われている。
東中国海ガス田が全て操業を開始したとしても、大消費地の上海周辺の需要量から、1〜2年の需要を賄なう程度の埋蔵量しかないのではないかと推定されており、日本はもちろん、中国側から見ても決して採算性のある事業ではない。そのことから、中国の真の狙いは、ガス田の開発それ自体より、日中中間線付近に複数のプラットフォームを建設することにより、日中中間線近くの海上に「事実上の中国領土」を人工的に作り上げ、第一列島線の一部でもある東中国海の制海権と軍事的優位を確立することにあるのではないかと推定されている。
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