|
外国人参政権(がいこくじんさんせいけん)とは、その国の国籍を有しない外国人に付与される参政権をさす。
最高裁判所の判例では、「参政権は国民主権に由来し認められるものであるから、その享有主体は憲法上日本国籍を有する国民に限られる」としている。しかし、公明党や左派勢力を中心に、国民主権の中心的意義は治者と被治者の自同性(国会議員と国民の同一性)にあることを理由に、日本国籍を持たないが日本と重要な関連を有する者(永住外国人など)にも参政権を認めるべきであるとの主張もあり、法学界においては、定住外国人に地方参政権を認めないこと自体が憲法違反であるとの見解もある。
野党などが中心となって1998年10月に初めて国会提出し、審議されるようになった。教職など一定の範囲の公務については外国人に就任を認める立法がなされている。
現在の重要な問題の一つとされるのは、永住外国人(または定住外国人)の地方参政権である。最高裁では「憲法上保障されていない」という判断が出されている。しかし、同時に「法律によって地方参政権を付与することは憲法上禁止されているものではない」という最高裁の憲法解釈も出されている。
また、立法によって地方選挙権を認めることは可能であるとする(許容説:芦部説と呼ばれ、現在この説が通説となっている)。地方参政権は形式的には国家主権と関係がないが、自治体は国家から多くの主権に係る業務を委託されている。このことから、外国人に地方参政権を付与することに慎重な人々は、国民の主権にも影響を与える重要な問題であると考えている。
国政レベルでの参政権は永住外国人に対して憲法上保障されていないとするのが通説的見解である。
政党で外国人参政権に積極的なのは公明党や民主党や日本共産党や社会民主党で、公明党は永住外国人の地方選挙権の付与をマニフェストに掲げており、度々、その趣旨に沿った法案を国会へ提出している。民主党は結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げている。因みに公明党と民主党は18歳以上なら日本国籍が無くても入党可能である。
自民党は外国人参政権に消極的であるが、一部に公明党等と同調して容認する動きもある。
日本国内の特別永住者(ほとんどが韓国籍または朝鮮籍)に対する地方参政権付与は、韓国における永住外国人の地方参政権付与を前提にした互恵的制度として日韓間で法案準備がされてきた。その後韓国内で一度廃案が決まった経緯から、日本の自民党では、「すでに一度終わった話」とする意見が多い。
その後韓国内で永住外国人に地方参政権を与える法律が成立したが、これに対し日本の自民党内では、韓国に永住する在韓日本人が二桁であり、日本に永住する在日韓国人が50万人以上というオーダーである事から互恵的とは言えないという意見や、そもそも地方参政権といえども国民固有の権利であり憲法違反であるとして、外国人には与えるべきではないという意見も根強い。しかし、自民党内には公明党等と同調して外国人参政権を容認する動きもあり、この問題は党内で大きな議論をよんでいる。
在日コリアン団体の反応では賛否が分れている。韓国民団は地方参政権を得るべきであると主張している。かたや、朝鮮総連は「在日同胞は共和国公民である」という立場から「日本国への政治参加が在日同胞の民族意識を稀薄化させることにつながる」として反対を表明している。その他、「参政権は日本の政治地図を在日コリアンに反映させることになり、さらなる党派分裂もたらす」と危惧する声もあり、それらが結論においてのみ朝鮮総連と一致するという現象もみられる。
日本人の反対派からは次のような意見が多い。日本国籍を取得した外国人には、当然参政権がある。日本国籍を持たない外国人に参政権を与えた場合、その者が国籍を持つ国と日本の両方の参政権が二重に与えられることも問題とされる。外国人が参政権を求める場合は日本国籍を取得すべきだというものである。また、保守勢力を中心に、主に安全保障上の理由から外国人参政権に対する拒否感があると言われている。
|